演奏会終了!


演奏会終了・・たった20分の演奏でも、1週間前からその20分のために生活をして、終わったあとの1週間は、ボロ雑巾のように、精神的・体力的に、からっぽになります。

みんなに、お便りを出して、感想を聞いて、お礼状を出して・・

そう思うとなんて時代錯誤の芸術・・
それでも、お客様が忙しかったり、たまたま予定がつかなければ仕方ありません。

果たして、今の現代、手作りのものに、どれほど価値があるのでしょうか?

生の肉声の空間芸術より、マイクを通した媒体を通したもの・・手紙より電子メイル・・
宝石よりアクセサリー、本より、インターネット、絵画より、デジカメ・・

あげれば、きりがありません。本物をやる職人が、一流でなければ生き残れない時代です。
古い職業の人が、職を失う時代なのかもしれません。

ただ、時代の流れについていけなかった方がたにも、最後、優しいのが芸術家だと思うのです。

伴奏費、衣装代、レッスン代、コンクール代、そのほか、もろもろ・・
一流をあきらめれば、楽かもしれませんが、一流をめざせばめざすほど、それらの現実的な問題はついてまわります。

日本の旬の話題からずれていますが、郵政民営化がいいのか、悪いのか、分かりません。ですが、国のトータルをみたら、いいのかもしれませんが・・
それによって、本当に純粋な古くからの過疎地の郵便配達をしている方が、仕事を失ってしまう。という悲しい番組を見たことがあります。

街の小さな電気屋さん、昔からのふとんやさんなどが経営がつらくなり、
いわいる電気大型店、例えば、100円ショップ、デパートなどが氾濫する時代、大量生産やる者が、お金持ちになるのです。これで、はっきり差が出てしまうのです。

もともと、日本は、大学の先生や、本物をやる人に冷たい国だと思います。
だから、強く生きていこうという気持ちがないと、とても一流をめざすことはできません。
生命力が必要です。

素晴らしい原石を持っていても、一流になるまでの過程で、そこまでおいつかず、挫折してしまうことも多くあると思います。

どんなに歌を歌っても、それがお金になって返ってくることがない世界・

どこかで、聞いたことのある言葉かもしれませんが、舞台上で
「僕は、オペラで、本番のギャラが3万で、チケットノルマが300枚でも、歌います。」

夢を与える存在である以上、けして、弱音は吐きませんが、もう、かなり黒い危ない道もかいくぐっています。やはり、この世は闇があるから光がある。。光を見つけるためには、闇をかいくぐらなければなりません。

星は太陽のそばでは光らないと思うのです。星は夜、輝きます。

30代突入してしましました・・人生、まだまだ、これからです。女としてもこれからです。


今は、若いときで、もっと現実的に事を運ばせたい時期・・だから、今回のプログラムに、フィンランドのものをあえて、入れませんでした。

チャイコフスキー、リムスキーコルサコフがよかった・・と言われ、あれー!!ロシアの芸術の勉強は、遥かに歴史が短いのに・・ただ、ロシアの壮大さ、自然の偉大さは、なんとなく、フィンランドに住んでいたので、わかるのです。
フィンランドの基礎があるから、ロシアがよかったかもしれないよと言われて・・・そうなんですよね。これ、不思議です。自分がやりたいことと、できることは違うのです。自分がいいと思うものと、他人がいいと思うものは違うのです。

ただ、不思議なことに、ふとしたときに、今でも、フィンランドに出会ってしまうことはあるのです。

北欧の聖夜ーまだ見ぬ歌の星たちを貴方に・・・