美しい


「仰ぐ」です。世の中の2割と相手にした職業を・・

勿論、芸術家としての生き方は確立していかないといけないので、
18歳の時から、芸術と現実2つのことをしてきたつもりだ。

まず、フィンランド留学が、自分にとって、深いトラウマ・コンプレックスになってしまったこと・・かといって、ウィーンとかドイツ留学、イギリス留学、フランス留学が自分にとって正しいとは思わない。同じような結果に終わったと思うが、フィンランドよりはおかしくは思われないだろう。

ただ、私個人の意見でいうと、フィンランドは非常に芸術的レベルの高い国だ。特に声楽と指揮は・・

申し訳ないが、ソロピアノ、ソロヴァイオリンでは、レベルが高いとは思えない。声楽家・指揮者は天才を輩出している。

ソビエト時代のロシアは芸術的レベルは高かったが、現在、崩壊後は、若い天才はみんな外国に散らばったと思う。それはボリジョイ劇場のオペラを観たときに思った。申し訳ないが、ヘルシンキ国立オペラの方がレベルが高かった。しかしながらサンクトペテルブルクのマリンスキー劇場はレベルが高い。


フィンランド少数民族にもかかわらず、センスのいい芸術を残した。


しかしながら、今、自分が、現在のフィンランドの姿を懸命に流したところで、それが伝わるのは、恐らく自分自身が死んだ後であろう。

今、ロシアの評価が、フィンランドより優れているのは、2・30年前の情報のおかげなのだ。それこそ、池田満寿夫とヴァイオリニストの佐藤陽子がロシア芸術の素晴らしさを確立したのだと思う。

フィンランドで勉強した時間の方が長いのに、なぜ、日本人はロシアの方をもてはやすのだろう。

人口の多さ、土地の広さ、がものをいうのかもしれないが、やはり、ソビエトが崩壊してから、古い芸術家は残り、若い芸術家は、国外に出たと思う。

所詮、マスコミが流した情報を元にしか判断されないもんね。

日本に戻ってから、芸術というものに、コンプレックスを持ってしまったこと・・

どんなにがんばっても、勉強しても、赤字にしかならない世界・・普通では考えられない世界であること。

声の熟練時期が、他の楽器と比べて、ずれていること・・・15年くらい遅れている。
国会のニュースみても、芸術家の内部の話なんか、出ないもんね。そんな話したって、お金にならないし、自分の評価にならないからだろう。そんな地方とかに、自分の名誉のコマーシャルするために、ホールつくったって、しょうがない。

年々、芸術家の支援団体が消えていっているような気がする。

ということで、結局、新しいタイプの芸術家が成功する時代になってきているのだと思う。

昔は、甘えられるタイプの芸術家は生き残った。甘え上手は、いつの時代にもいる。

今は、2足わらじの芸術家が生き残れる時代。二つのことが同時に出来る人。右も左も上も下も出来る人。

TVとマイクがなければ、もう少し、オペラ歌手の価値が高い世の中になっていたはず・・なんて、泣き言を言ってみたりもするが、これって、結局・・

インターネットさえなければ・・とか、郵政民営化にならなければ・・とか、大量生産できるアクセサリーがなければ・・とか、デジカメがなければ・・ということ。

声楽家にとってTVは敵。TVで声楽家の声を機械を通して聞いても、これは空間芸術には勝てない。

生の声を空気に振動させて伝わる感動に勝るものはないからだ。