この場所から

「この場所から」


最後の力を振り絞って、出しました。


今、現実的に、よれよれになっているのですが、


正直、この曲がいいのか、この録音がいいのか、


もう、わからなくなってしまったのです。


それくらい、今、感覚が麻痺しているという事でしょうか?


アーティストであれば 誰でも勝負できる時期というのは、限られていて、


その中で、本当にいいと思ったもの、素晴らしいと思ったものを出せるか、出せないか、


またそれを出すタイミングというのは難しくおもいます。


全ての時に、時がある。


という諺がありますが、その通りだと思います。


特に最盛期のせいぜい10年、その間、いろいろなことがあるのだと思います。
 

このこの場所からという曲も、その私が、もっとも勝負した時に、聴いた曲のひとつですが、


古典クラシックからジャンルを超えた音楽や感性の時期に移行する時代の時でしたので、


当然、混合の仕方にとまどい、録音の技術的にも追いつかない時代でした。
 



http://www.youtube.com/watch?v=_6RorANzt4g

 
この「この場所から」という曲も、


その私が、もっとも勝負した時に、聴いた曲のひとつですが、


クラシックからジャンルを超えた音楽や感性の時期に移行する時代の時でしたので、


当然、混合の仕方にとまどい、録音技術的にも追いつかない時代でした。


この曲の録音の時も、うまくいった記憶がなく、むしろ、失敗作だと思っていました。。(サウンドシティ3年前の録音です。)
(むしろ、レコーディング時の思い出が蘇るので。)
 

テンポがゆっくりすぎるのではないか?


まだ、クロスオーバーの録音技術の知識がない時だったので、録音の技術が悪いのでないか?
(実は、日本でクロスオーバーの録音知識があるエンジニアは、数が少ないのですね。だから、いつも、録音前に、エンジニアの今までの作品を聞かせていただいてから録音をお願いします。)


とにかく、録音に至っても、私自身が、納得がいかないものばかりで、


こんな中途半端なものが、私だと勘違いされて、


また、クラシック業界からのバッシングがたまらない。とか思っておりまして、
(心をきかないで、表向きの技術ピッチが違うとか、心無いことをいう方がいるのですね。私とは関係ない方々なのに。)


そして、周りの反対があるものは、


自分自身を犠牲にしても、世の中に出す必要はないと思っていました。
 

それは、作曲家の方とお互いにとって不幸ですし、


それよりも、自分自身を大切にしようと思っていました。


眠っている名曲が、世の中に出ないのは、たいていは、それらのいきさつがあります。
 

この曲は、


私にとっては、過ぎ去った過去のものです。
 

けれども、たまたま、この名曲に触れて、いいとおっしゃってくれた第3者の方、


感動してくださった方が沢山いて、


いいと言った人間の数が多ければ、多いほど、


いつかは、世の中の多くの人に聴かれる運命にあるのだと思います。


後は、時の流れや、運命に委ねます。
 

ちなみに、この場所からは、こんな詩です。


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〜この場所から〜(作曲小林真人 作詞Yoko Maria)
 
夏の日に 風が吹き
通り雨が降ってきた 
この場所で 雨宿り この木の下で過ごした 
髪濡らし 眺めていた あの山や川の流れ
貴方の まなざしを感じ 振り返り 笑った
 
二人の恋 
この場所で始まった 
愛 木の肌に 名前彫り誓った 
 
貴方は 旅に出て
時が経ち便り途絶え
季節 めぐり 雪が降り 春の花が咲いた
遠い日の 花火のように思い出が薄れて行く

この場所で この木の下で貴方を待つ
あの夏の日  おなじように雨が降り
梢を渡る風が吹くだけ

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【この場所からの心】
 

この場所から始まった人生は、思いもかけない道をたどり、旅をする事になります。


そして、大きな木の下から旅に出た自分を


自分が遥かな旅から戻って来るのを


待つと言う意味を込めました。


それは、生まれたときから、死に至るまでの人生そのもののことかもしれません。
 

貴方を待つ・・というのは、ある意味、大きな木の下と言うこの場所で、


それは、自分の求めている理想郷であり、遠い日の自分をイメージを表現しています。


大きな木の下で、永遠の時間が流れていて、


自然の中で、神が自分に送る風に身を委ねているひとりの自分の姿があります。

 
けれども、はじめの原点に戻れない人もいます。


戻りたくても戻れなくなってしまった人。


この最初の原点に立てない悲しみや苦しみこそが人生そのものかもしれません。


最初の場所の源・・・ 人間は、いつか、はじめに立った場所に戻ります。
 

このような映像が私の心の中にありますが、あえて、恋の歌に仕上げました。


美しく、きれいに・・・遠い昔を思い出し、


懐かしむように歌って頂けたらと思います。


大きな木の下から始まる恋の顛末をあたかもドラマを見ているように、


聴く人に映像を結ぶように丁寧に書き上げました。


人は、みな遠い昔に戻るのですから。
 


From this Place
 
The wind blows on a summer day
The passing rain starts to fall
Sheltering from the rain in this place, under this tree
With wet hair, I gazed at that mountain, that river
Feeling your look, I turn around and laugh
 
Our love
Started in this place
Swearing love, we carved it into the tree bark
 
You left on a journey
Your letters stopped
The seasons came, the snow fell, the spring flowers bloomed
The memories fade like fireworks from some distant day
Under this tree, waiting for you
On that summer day, the same rain fell
And the only flower blooming is the wind coming through the branches
 
※人生はこの場所から始まった、この場所に戻ってくる。
※Life starts from this place and returns to this place.