命がけの紀尾井リサイタル

命がけの紀尾井リサイタルになりました。
はい。

これだけの知名度、社会の上層階級、また皇室、いわいる社会から信用される知識人から、
大昔から支持されている ソロリサイタル殿堂の紀尾井ホールですが、
私の前日に、佐藤しのぶさんが声楽ソロリサイタルを開催しています。
公演日程を見てくださいね。
http://www.kioi-hall.or.jp/calendar/index_h.html#5

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命がけといえば、ある5年に一度のロシア・モスクワ大世界会に行くときも、そうでした。
これも何か捨てて、それと引き換えの命がけのことでした。
その前は、フィンランド留学、これも、あることを捨てた命がけの留学でした。
いろいろなことを捨てる変わりの留学でした。
報われなかったのかもしれませんが、結果、別の世界の出会いがあったりとして、
いずれにしても、ちょっとずつ、前に進むことが出来る結果になり、
私は、両方とも、あの時、勇気出して行ってよかったと思います。
ロシアでは、もと共産国家と資本主義の混沌を見、体験することが出来ましたし、
フィンランド留学は、客観的に、ヨーロッパの伝統技術を大きくを見つめる結果となりました。
もっとも、この声楽家という職業を選んだ時点で、「保障」を捨てる変わりに、
今日の輝きを選んだわけですが、長くなってしまいましたが、
私にとって、紀尾井は命がけのリサイタルとなりました。

私は、東京で、ソプラノコンサートの数を重ねることで、ありとあらゆることに挑戦してきました。
ソプラノ歌手にも、演歌が歌えることがよくわかりましたし、常識を覆します。
チャンスがあれば、ロックにだって、メタルにだって、チャレンジしていきたいです。
その都度、いろいろな企画で組み立ててきました。
専門家向けですが、発声方法だって、ジャンルにより、歌い分けます。
発声を重くするか、軽くするか、
口の開き方だって、ジャンルにより、変えます。

新しい時代の新ジャンルの歌い方を出来るのは、今、私だけです。
私は、誰しもやってないことをやる、それが私の生き方、
だから、まだ道が開けてない頃、誰しも行かない北欧フィンランドにも留学しましたし、
今回、私が紀尾井に選んだピアニストたちも、
私が、彼女が若い時から育てた新ジャンルのピアニストや、ポップス系統のピアニストたちなのです。
ジャンルの融合、文化の融合は、伝統技術の融合、
大切なのは、感性、普遍性・・・これが伝われば・・・と思います。

私は、ひとつの国だけに留学したアーティストではありませんし、
ひとつのジャンルしか出来ないアーティストではありません。
文化、ジャンルを通り越すこと、
それには非常に高い技術と、己を捨てる客観性が必要です。
その上で、普遍性を見つめる精神が必要です。

これらは、私の永遠のテーマなのです。
経済人が見れば、この世界的不況の中の紀尾井リサイタルですし、
クラシックの封建社会を歩いてきた人間にとっては、
ある意味、信じられないことをしています。
行うことによって見えてくる生き方を貫き通しています。
だから、ある意味、命がけなのです。
いつも、命がけの演奏ですが、企画も命がけなのです。

話は飛びますが、4月4日の日本橋三越本店中央ホールのイベントで、森山直太郎さんの「さくら」を歌います。
http://www.youtube.com/watch?v=JHupI_7ZFOU
歌っているうちに、とてもあたたかい曲だなと思いました。
この日、春・さくらにまつわる曲を演奏します。
今日、我が赤坂の事務所・サロンで、ピアニストとフルーティストの方、
三越本店の方にわざわざ来ていただけて、決まりました。

こうして、今も、応援していただけて、
新しいジャンルの扉を切り開いていただける沢山のアイデアをいただけて、感謝しています。

音楽は、ジャンルでない、ようは、歌を歌うこころなのだと思います。